防犯対策・詐欺の手口

実際にあった詐欺の手口や事件、犯罪者の告白です。防犯対策・防衛のための知識としてお読みいただければと思います。

ひき逃げ犯を許さないNシステム交通捜査のすごさ検挙率は驚くほど高い

《飲酒運転の量刑が重くなったため、ひき逃げが増えた》

世間ではそんな声も聞こえる。ひき逃げ事件の検挙率は驚くほど高く、死亡事件にいたっては毎年90%を超える。千葉の事件で犯人が自首したのも、逃げ切れないと観念したからだろう。

検問に緊急配備。発生直後が鍵
ひき逃げ事件のほとんどは、夜間に発生する。本来、事故を起こしたドライバーが真っ先にすべきは被害者の救護だ。しかし、人通りのない道で、たとえ誰かに見られても不確かな記憶しか残しにくい夜ともなると『逃げられる』と思ってしまうドライバーも少なからずいる。

ひき逃げ犯が逃げた動機のトップ

ひき逃げ捜査は道路をはいつく!

「飲酒運転中のため」というから、判断力も鈍っているに違いない。警察がひき逃げ事件の発生を知るのは、目撃者もしくは被害者からの110番、119番通報だ。加害者が、誰も見ていないと思っても、よほどのことがない限り目撃者は存在18する。人身事故の衝突音、急ブレーキの音はかなりのもので、周囲に家があれば誰かが必ず気づくという。110番通報を受けた通信指令センターは、すぐさま無線で機動捜査隊や近辺を警ら中のパトカー、さらに本部交通捜査課、所轄署に伝達し、同時に、事故発生直後なら緊急配備を手配。目撃者から、逃走車両の特徴などを聞き出し、オンタイムで各警察官、パトカーに無線を流す。

『被疑車両は青のワゴン。右ヘツドランプが破損の模様。国道××号線方向へ逃走』ここまで具体的なデータがあれば、被疑車両の発見も時間の問題だ。現場に急行した警官が、自動車検間を中心に辺りを捜索、不審者の割り出しにかかる。該当車両が見つかれば、ドライバーに質問をぶつけ反応を伺う。例え事故を否定しても、動揺が表情や態度に出るし、酒臭い息をしているかもしれない。いょいょ怪しいとなったら、所轄署に無線連絡して、容疑者を車と一緒に任意同行、事情聴取とともに車両見分を行う。バンパーに真新しい摩擦痕があったり、事故現場に落ちていたランプの破片が合致すれば犯行は間違いない。
「飲酒運転の発覚が恐くなって逃げた」
鹿児島県警が手がけたのが、前記した捜査手法で解決を見た事件である深夜。0時15分頃、鹿屋市の市道を走っていた乗用車が中央線を越え、対向してきたバイクに衝突。乗用車のドライバーは転倒している相手をそのまま置き去りに、逃げ出した。たまたま目撃していた通行人が119番通報。人身事故と連絡を受けた消防本部は即座に警察本部に転送、所轄の鹿屋署捜査員が出動した。現場では鑑識課員らが検証する一方、機捜や交通課署員が周辺の通行車両や住人に聞き込みをかけ、辺り一帯を捜索。ほどなく、事故現場から数百メートル離れたマンションの駐車場で前部が損傷した乗用車を発見する。さっそく車両を見分して現場の遺留品や目撃情報と照合するとともに持ち主の女性(31才)に事情を聞いたところ、容疑を認めたため、午後4時過ぎに逮捕した

被害者のコンビニ店員(17才)は、病院に運ばれたものの約5時間後に出血性ショックで亡くなっている。調べによると、加害者は市内の高校教論で、8日夜7時ごろから同僚らと酒を飲み、代行業者を頼んでいったん帰宅。その後、食べ物を買いに行くため自ら運転して事故を起こし、「飲酒運転の発覚が恐くなり逃げた」と話したらしい。
ひき逃げ事件は、このように緊急配備中に容疑者が特定できるか、数日以内に自ら出頭するケースが過半数を占めるが、やっかいなのは目撃証言がなかったり、あいまいな場合だ。警察が求めるのは、車種ゃナンバー、色、大きさなど車両と、性別や年齢、服装など運転者や同乗者に関する情報である。が、たまたま通りかかった人間が逃走するナンバーをとっさに記憶できるはずもない。せいぜい目にとまっても、1ケタや2ケタがせいぜいだろう。複数の目撃者がいれば、別別のことを言い出すことも珍しくない。車の色も、夜間、灯りのない場所で見れば黒なのか赤なのか見極めるのは困難だし、街灯や電飾の加減で別の色に見えることもある。目撃証言が不確かな場合は、現場に残された証拠や被害者の外傷痕、周囲の聞き込みなど地道な捜査で被疑者を追いつめるしかない。
タイヤ痕があれば車種や速度が判明
き逃げ現場に残された痕跡は、捜査員に様々な情報を伝える。そのため鑑識員たちは、夜なら検索灯を照らし、ガラスの破片や、はげ落ちた塗料のカケラひとつ見逃さないよう、地面に這いつくばって遺留品を捜し出す。中でもブレーキをかけた際のタイヤ痕は重要で、加害車両がやってきた方向や、どれぐらいのスピードが出ていたのか導き出すことが可能だ。また、前後左右4つのタイヤ痕があれば、タイヤとタイヤの距離を測定することで車種や車名、年式、メーカーなどがわるし、タイヤの摩耗具合から使用期間を割り出せる。さらに、スリップしてできたタイヤ痕のそばにランプ片が落ちてたら、ブレーキを踏みながらぶつかり、先にタイヤ痕があれば、引いた後に慌ててブレーキを踏んだなど、事故の状況も明らかになる。他にも、車体塗装はメーカーや車種限定の場合が多いため、剥がれ落ちた破片でも見つかれば捜査はグンと進む。こうした証拠を、以前は「自動車元表」などのリストと突き合わせ手作業で車両を割り出していたが、『現場こん跡画像検索システム』により、履物底やタイヤのトレッドパターン、自動車部品のランプレンズのデバイス記号等がデータベース化され、コンピュータで自動的に検索可能となった。一方、被生暑の体に残った傷も重要な証拠だ。傷で何が判明するか、主な3つを挙げておこう。
衝突創車のバンパーやボンネット、フロントガラス、ライト、ドアなどが触れて出来る傷。車高と同じ位置にできるため、傷の場所から車の種類や進行方向、スピードなどが推測できるという。
転倒創体がボンネットなどにすくい上げられ、路上に投げ出されたときに出来る二次的な傷のこと。衝撃の強さなどがわかる。
車にひかれてできる傷で、タイヤ痕が残りやすいため、捜査の重要な手がかりとなる。
事故発生時に現場を通らなかったか
犯人が見つからない場合、警察は現場周辺の徹底的な聞き込みを行う。周辺の住人はもちろん、事故発生時間に現場へ出向き、そこを通る車両や人に、当日、物音を聞いたり、事故前後にスピードを出した車を見なかったかなど、片っ端から声をかけていく。被害者が死亡したり重い傷を追うほどの事故なら、車体のどこかに傷がついているかもしれない。目撃情報に該当する車ゃ、事故後に持ち込まれた不審車がなかったか等、修理工場やカーコンビニなどへの聞き込みも欠かせない。その結果、有力な目撃証拠が出たり、現場証拠から「××社製青のセダン。昭年式」など車種が割れれば、すぐさま車両照会を行い、該当車両の所有者1人1人当たっていく。
「いえ、先日のひき逃げ事件で、青い車が目撃されていましてね。所有者の方、全員にお話を、つかがってるんですよ」さりげなく切り出し、事故当日、車を使ったか、使ったとしたら事故発生時に現場付近を通らなかったかなどと突っ込み、相手の態度を伺う。
様子がおかしくても、それがイコール犯人とは限らない。こんな例がある。何やら隠してるそぶりがあるため実際に車を確認したところ、左前部のタイヤだけ種類の違う新しいものが付いていた。理由を聞いてもソワソワした様子で言葉を濁すだけ。嫌疑は濃厚に思えた。捜査員が後日、警察に呼び出し、タイヤを何のためどこで交換したのか追及すると、男は意外なことを言い出した。タイヤがパンクしたので、駐車場の他人の車からタイヤを盗みましたー。事件捜査中に別件が解決することは珍しくないらしい。
「Nシステム』が不審車両を記録
聞き込みに駆け回る交通捜査の刑事とは別に、自分の管轄ェリア内をパトロールしながら、異常をかぎつけるのが地域課の警察官のである。例えば、いつもは青空駐車してある車に事故直後からカバーが掛かっていたり、姿が見えなくなれば、世間話のついでに事情を聞き出し、捜査員に伝える。地道ながら彼らの活躍で解決する事件は、思いの外多いという。
また、あまり知られてないが、「Nシステム(自動車ナンバー自動読み取り装置)』をはじめとする監視カメラ群も、事件解決に大きな力を発揮している。『Nシステム』は95年ごろから設置が始まり、いままでに日本全国の高速道路や幹線道路におよど700機が稼働。道路上に架けられたゲートに赤外線ストロボ、カメラがセットされ、24時間年中無休で通過車を記録し続けている。旧型は文字どおりナンバーデータだけを読み取っていたが、最新式はナンバーデータだけでなく、車両から運転者までを画像で認識、すべてのデータが蓄積されているのだという。手配中の車両ナンバーをインプットしておけば、通過したと同時に該当所轄署の警官に情報が伝わるこのNシステム、当然、ひき逃げ捜査にも欠かせない。現場近辺に装置があれば、時間を設定して「青いセダン」などの目撃証言に合致する情報を抜き出すのは簡単だし、事故発生前後に疾走する車をチェックすることも可能だ。この他、スピード違反車を撮影する『オービス』や、車のナンバーを撮影して移動時間を計測、混雑情報をはじき出す『旅行時間提供装置』もデータベースに直結、ひき逃げ捜査に活用されている。