防犯対策・詐欺の手口

実際にあった詐欺の手口や事件、犯罪者の告白です。防犯対策・防衛のための知識としてお読みいただければと思います。

逆援助交際サークル詐欺の実態

よくあるのは応募者から、数万の登録料だけを取って、後はドロンというもの

もっと悪質なところだと、業者と女性客がグルになって数十万の金をせしめるケースもあったらしい。プレイ中に女が突然キレ、退室。業者は大切なお得意様を失ったと男を責め、損害賠償請求を突きつけるのだという。おーコワ。
さてや時は移って現在。今や出張ホスト詐欺なんぞは過去の遺物に思いきや、未だネットや雑誌には似たような広告が載っている。
当会の女性会員は、社長夫人やエリートサラリーマンの妻など、社会的地位のある方ばかり・スポンサー、Hのお相手等をお探しの方、ぜひ当会の男性会員に登録しませんか?まずは、お電話お待ちしております

巷では《逆援助交際サークル》と呼ばれる代物で、もちろん詐欺。
カモのおびき寄せ方や、後で何だかんだ難癖をつけ大金を編し取る手口など、出張ホスト詐欺のソレと何ら変わらない。
しかし、疑問だ・今どきこんな誘い文句に釣られる男がいるのだろうか。金を出してまでセックス相手を探す社長夫人などハナから存在しないことは、周知の事実ではないか・編されるとしたら、よっぽどの世間知らずか、馬鹿か…。
「そう、その世間知らずの馬鹿男が、まだいるんですよ。しかも、いっぱいね」
西川陽子(仮名)は、笑みさえ浮かべ、そう言った・昨年2月から約4カ月、都内の逆援助交際サークルにサクラとして参加、有閑マダムを演じつつ日本各地の男をペテンにかけてきた女である。
彼女の体験を通じて、今なお、ありもしない儲け話を信じる男どもから大金をせしめる、逆援助詐欺の実態を明らかにしよう。

新宿・歌舞伎町のカラオケボックス。トップスは黒のカーディガンとピンクのTシャツ、ボトムスに小酒落たデザインジーンズという出で立ちで現れた西川は、席に着くや、目の前のアイスティを一気に半分ほど飲み干した。
いかにも、遊び人風情。間違っても社会的地位のある人妻には見えない。
「ははは、そりゃそうですよ、仕事中はシックなスーツ着てスマしてたけど、素の私はいつもこんな感じですよ」
では、経緯から聞くことにしよう。
「最初はデークラ時代の元同僚から、いいバイトあるんだけどって話を持ちかけられたんですよ」
勤めていた渋谷のデートクラブを辞めた西川は、少し貯金に余裕があるのを幸いに、日がな一日、パチンコ屋に入り浸っては、デークラ時代の友人とバーで酒を煽っていた。
「ちょうど良い感じに酔いが回ってきたころ、友達が1回5万になる仕事があるんだけどやらないかって。すぐヤバ目の仕事だとわかりましたねえ」
そんな勘が働いたのも、その友人の男友達Sが、某広域暴力団組織で企業舎弟をしていたこととも無関係ではなかったろう。
3日後、案の定、Sから仕事の詳細を聞かされた。
「会うなり、言うんですよ・ぶつちやけ、詐欺だって」

逆援交を謁ったサ—クルを作り、集まったカモから金を騙し取っている。そのためには、エサとなる女=サクラがもっと必要で、オマエにもゼヒやってもらいたい。
Sは真剣な顔で、西川を口説いた。
現在、男性会員と面接したり、女のコのスケジュール調整を行っているスタッフがS やその知人をくめ10人。サクラは7人おり、その役目は、サ—クルの女性会員だと称し、ホテルで男性会員の相手をすること。ギヤラの条件は一回会うごとに5 万で、セックス込みらしい。

「20才過ぎからず一っとフーゾクやってきた。別にどぅってことない。で、OKしたら、じゃあ今からすぐ手伝ってくれって。他のサクラのコからキャンセル入ったから頼むって」

指示はこうだ。
今から一時間後の午後3 時、
カモが新宿パ—クハイアットの1室に現れる。先に入って、出迎えてやってくれ。キミの設定は28才、2 力月前に大学病院に勤める夫の転勤で上京してきた人妻だ。セックスはどちらかといえばスキな方で云々。
夕ーゲットの顔写真と簡単なプロフイ—ルも渡された。某携帯会社の社員らしい。が、とても、上手く演じられる自信はない。そもそも、サ—クルの細かいルールやシステムはまだ何も聞かされていないのだ。
不安な気持ちを抱えたまま、ホテルの11階へ。それから遅れること20分、30代後半のT 氏が現れた。
相手も相当、緊張しているのっこちらが質問しない限り、話さそうとはしない。場を持て余した西川は、男に裸になるよぅ命じ、おもむろに堅くなったモノをロに含んだ。「とりあえず初回は顔合わせのようなもので、イカせちゃイケないって言われてたんで」
ともあれ、西川は帰り際、車代としてT氏へ5 万円を手渡す。
これもSの言いつけに従ったまでだが、相手にしてみれば、夢のような出来事だったに違いない。熟れた人妻からフェラの奉仕を受け、なおかつ5 万円の謝礼。事前に聞かされたシステムでは、さらに、翌週は待望のセックスができ、10万円を受け取れるという。
だがちょっと待ってほしい。このまま話が進めば、西川のギャラが2 回で10万、T 氏への謝礼が15万と、計25万円をサークルが負担することにる。その金、どっから出てきたんだ?
「Tさんです」
西川の話によれば、このサ—クル、男性会員に女性1 人を紹介するたびに保証金なるも
のを取っていたという。金額は男性会員の年収や職業に合わせて変動し下は最低20万、上は最高で50万。名目は、男女会員同士でトラブルがあった際の《保険》である。
規約では、同じ女性会員と三度会い、何事もなければ、男性会員に返却とされていたが、その三度が曲者だった。実は、一度目は寸止め、二度目が本番、三度目は《さようなら》だったのである。
「転勤になったとか、不治の病にかかったとか、スタッフが理由を適当にでっち上げて、男性会員に連絡を入れるんです」

その際、スタッフは次の文句を付け加えるのを忘れなかった
『T様、それではまた別の女性を紹介しますので、明日中に保証金を振り込んでください。最初の保証金は2人目の分と一緒にまとめてお返しします』
逆援交サークルの儲けのカラクリとは、結局こういうことだ。
1人の男性会員に新たな女を3人、4人と紹介し、そのつど保証金を徴収。貯金がなくなれば金融屋に走らせ、とにかく徹底的に絞り取っていく。
後に西川が同僚のサクラに聞いたところによれば、T氏はこの後3人目のサクラでついにパンク、サ—クルに支払った合計は180万円にも上ったという
「サクラやり始めてーカ月で悟りました。男性会員って、結局、同じタイプの馬鹿ばっかりなんですよ。セックスして金もらえてラッキ—とか、いつか保証金は全額返ってくるとか、ぜんぶ自分の都合のいいように考えてる。そもそもこんなあり得ないサークルに一度でも大金払ってる時点で、判断能カゼロなんでしょうけど」
騙す側が口にする台詞でないことはさておき、西川の言う«馬鹿男» は、たとえ相手の女性が転勤になったと聞かされても、深くは詮索してこないという。
ただ、残念そうに、こうつぶやくだけだ。
『…はあ、そうですか』

これ以後、西川は週2人ペースで、カモの男たちと会い続けた。東京だけではない。神戸、名古屋、広島、北海道、福岡、高松。サークルの広告が某全国誌に掲載されているため、それこそ全国各地を飛び回った。演じるのは、常に最近、夫の仕事の都合で東京から越してきた人妻である。
対して、男性会員の多くは、一見、どこにでもいそうなサラリーマンや自営業者などで、やはり皆、総じて気が弱く、頼りなさげ。中には、セックスの見返りに、傾きかけた事業を救ってほしいと真剣に訴えてくるイベント会社の社長もいた。

頭の中身を疑った。サクラを務めて2 力月。仕事に対する取り組み方を変える、ささいな出来事が起きた。
「そのちょっと前に、2 人連続で初モノ(まだ一人も女性会員を紹介されていない男性会員) に当たったんですけど、その人たち、私が三度目の再会で消えたとき、次のコ紹介してもらわずに辞めちやったんです。偶然かもしれないですけど、そんなこと初めてだし、すごくショックで」
自分に魅力があれば、あの2人はサ—クルにもっと期待感を抱いていたんじやないか。きっと2人目、3 人目の女のコも最初のコのよぅに凄い、なんて思わせることができたんじやないか。
魅力ある自分。それを実現するため、西川が取った行動は、セックス時にS 根性丸出しの女王様となることだった。
「サ—クルに来る男って、大人しくて内向的なのばっかなんですよね。絶対コイツらM だって」
再び初モノにありつけたのは、それから一週間後。まずは、ホテルのI室にやってきたその男性会員を優しく迎え入れ、和やかに談笑。頃合いを計って、態度を急変させた。
『ねえ、お前さあ、もうチンポ勃ってんだろ?ホラ早く服脱いで、こっち来なよ!』
驚く男を四つん這いにし、背後から左手でサオを握りしめながら、唾液のついた右手人
差し指をアナルに押し当てる。グ、グ、グ、ヌルッ。男は恍惚の表情のまま、果てたといぅ。
「それからはずっと、S路線を続けてました。実際、会員からの評判も良かったんですけど、ま、複雑っちゃ複雑でしたね。喜ばせてあげてもすぐバイバイで、その後はドンドン金銭を巻き上げられていくワケだから」
男と寝るのは、あくまでビジネス。相手が骨までしゃぶられようが知ったことではない。徹底して割り切っていた西川だが、実は一度だけ、情を見せたことがある。その男性会員は19才のフリー夕ーだった。西川の前にも2人のサクラと会っており、すでに120万円を使っていた。すベて、金融屋からの借金である。
「なんていうか、意志薄弱っていうか、いかにも頼りない子で。たぶんこの後もどんどん金を絞り取られるんだろうなって、そう思ったら急にいたたまれなくなったんですよね」
だから、西川は絶対秘密を条件に教えてやった。このサークルは詐欺で、アナタはダマされている。保証金も絶対返ってこない。もう止めた方がいい。
「そしたら、その子が言うんですよ。『ありがとう。でも、ここがダマシだってのは途中からわかってた』って。自分でも、もう何をやってるかワケがわかんない状態だったんじやないかな」
結局、少年は、西川が知っている限りさらにもう60万の借金を作り引き続きサ—クルの女を紹介され続けたのだという。
あんた、TV番組で盗撮されてたんだよ
終わりは、突然やってきた。昨年6 月、名古屋。その日、初めて会った男性会員の雰囲
気は、普段、彼女が感じ慣れていたソレとは異質のオーラを放っていた。
「ひ弱そうとか、大人しそうとか、そんなんじゃない。目が鋭くて、やたら質問してくるんですよ」
このサ—クルのことどこで知ったの?旦那さんの会社、名古屋のどこなの?いつもなら誰も口にしないようなことをズケズケと尋ねてきた。
警察か?警戒していたのは西川だけではない。男とホテルで会う直前、スタッフが妙なことを口走った。
『1回目だけど、セックスしてもいいよ。なんか今日のカモ変なんだよね』
保証金を取って最後までヤラせなければ、公に訴えそうな危険を感じるのだという。
しかし、実際に男に接した西川は、さらに重大な危険を察知する。テ—ブルの上に置かれた男のセカンドバッグだ。フロを出た後、ベッドイン前と、何度も手で触れては、位置を微妙に調整している。盗撮されているのは明らかだった。
「けど、警察だったらと思うと下手なことできないじやないですか。だから、なるべくセカンドバッグには顔を向けないようにして、することしちゃいました」
男の正体は何者か。答はーカ月後、前述の元デ—クラの同僚がかけてきた電話によって判明する。
『ねえ、陽子。あんた先月、仕事で名古屋にいたよね?』
「ぅん」
「あんたそんときベージュのワンピ—ス着てた?」

「ぅん。何で知ってんの?」
『あんた、TV 番組で盗撮されてたんだよ。いま、画面に思いっきり映ってる』
それから数日後、スタッフのケ—タイが不通になった。何があったのか、詳細はわからない。が、西川は確信している。オンエアの後、サ—クルの事務所にガサが入ったのだ、と。