防犯対策・詐欺の手口

実際にあった詐欺の手口や事件、犯罪者の告白です。防犯対策・防衛のための知識としてお読みいただければと思います。

自己破産の申し立ての方法と免責決定の基準

裁判所に《破産》を認められ、《免責》処分を受ければ一切の借金がチャラになる

そんな夢のような制度が自己破産だ。確かに、借りた金は返すのが当然だし破産するのは恥ずかしい。だが、逃げたり自殺を考えるぐらいなら破産した方が断然、マシだ。

自己破産件数19万件という数字が示すとおり、もはや特別な手段ではないのである。ここでは、「自己破産可能な条件」から「同時廃止」「免責」まで手続きの流れを押さえながら、最良の方法を紹介していこう。

自己破産の申し立ては誰でも可能だ。が、通るかどうかは別の話で、裁判官は年齢や職業、収入などを総合的に判断し、《借金をどうしても返せない状態=支払い不能》かどうかを認定する。

金額の目安は、収入から最低限の生活費を引いた残りで3年以内に借金を返済できるか否かだ。例えば、年収500万のサラリーマンが500万の負債を抱えた場合、サラ金の利息が30%なら利子だけで毎月12万5干円。手取り約30万の給料から生活費巧万をマイナスし、残りを全部返済に充てたとしても、3年や4年での完済は不可能

一説には「年収の3倍以上の借金がなければ破産できない」とも言われるが、現実には年収程度で十分である。ただ、額が多いほど通りやすい傾向はあるようで、今回取材に応じてくれた某経営コンサルタントなどは、「ゆっくり増やしてから破産しろ」と相談者にアドバイスしているらしい。では、このページの図を参照しながら順を追って自己破産の手続きを見ていこう

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破産を決意した債務者がまず考えるべきは、弁護士を依頼するか否かだ。自己破産に関する書類は山ほどあるが、いずれも裁判所やインターネットなどで入手可能なものばかり。

さらに書式や手続きの方法を親切に解説したソフトも発売され、すべての手続きを自分で行うことが可能だ。

一方、弁護士を依頼すれば当然、費用がかかる。地域によっても異なるが相場は30万円ほどで、債務者には決して安い金額ではない。
ただそれでも法定代理人たる弁護士に頼むメリットは大きい。まず、多重債務者が精神的に追い込まれるいちばんの要因、のべつまくなしにかかる督促電話や取り立ての類がなくなる。

これは手続きが始まると、弁護士が債権者宛に、本人や家族への連絡や取り立てを止めてほしいという内容を盛り込んだ介入通知書を送付するためで、仮に業者が無視すれば損害賠償も可能なほどの威力を持つ。

時間的なメリットもあなどれない。大量の書類を記入するのは一苦労だし、不備があれば何度でも再提出を促される。裁判官との対処の仕方ひとつにしても、手慣れている分うムーズに事は運ぶ。

正直、いい弁護士に当たれば自分で何もせずとも借金がチャラになるのだ。
そこで、弁護士の選び方だ。知り合いがなければ、各地域弁護士会の相談窓口で話を聞いてもらい、紹介を受けるのが一般的だろう。ただその場合、たまたまの先生や、単なる順番で割り振られることが多く、信頼性に欠ける相手にぶつかる危険性も少なくはない。

心配なら自分でインターネットや専門誌を当たり、評判のいい弁護士に直接頼んでみればいい。また、各市町村で実施している無料の法律相談を利用したり、全国クレジツトサラ金被害者連絡協議会加盟団体で債務のエキスパートを紹介してもらったりと、信用に足る弁護士に出会う手段はいくらでもある。

確かに、クレジット・サラ金系団体を詐称する紹介屋・買取屋・整理屋グループに名義を貸す悪徳弁護士も存在はするが、むやみに怖がる必要はない。

破産や債務整理は弁護士の基本事案で、たいていの弁護士は親身になってくれるはずだ。費用についても、事情によっては分割に応じたり、負けてくれるケースもしばしば。中には毎月1万円ずつを振り込む約東で引き受けた事例さえあるという。

また、生活保護の対象者や、離婚したてで収人のない女性などに対しては、全額立て替えてくれる扶助協会の制度もある。

しかし、安けりゃいい弁護士かというと、そうとも言い切れないのが難しいところだ。破産理由に後ろめたいことがなければ問題ないが、ギャンブルで作った借金など免責不許可(詳細は後述)が含まれていた場合、費用より融通を効かせてくれるかどうかがポイントになる。

いずれにせよ、最終的に弁護士を選ぶのは自分だ。何人でも会い、目的に合った弁護士を選ぽう。
マイナス面を強調する必要なし
弁護士を選任したら、いよいよ破産理由だ。原則として債務者の住所・居所を管轄する地方裁判所・支部に、以下の書類を提出する。
①自己破産申立書

②陳述書

③同時破産廃止免責の上申書

④住民票(または外国人登録済証明書)

⑤戸籍謄本

⑥債権者一覧表

⑦財産目録
この他、サラリーマンなら給与明細、源泉徴収票。
退職者、休職者は離職票、退職金支給額証明書。自営業なら確定申告書控。さらに動産があれば預金通帳や生保証書もしくは解約払戻金証明、不動産があるなら土地建物登記簿謄本。また、診断書に支払い督促の写しなど債権に関する契約書、請求書、残額証明など債務者の支払い不能か明らかにする書類はすべて揃えなければならない。ずいぶん面倒なようだが、住民票と戸籍謄本、給与明細などの他、は、大抵の弁護士事務所に常備済み。

枚数は多いが、弁護士の説明に従って記入していけばいい。さて、前記書類の中で裁判官がいちばん注目するのは陳述書だ。これは氏名、年齢、住所といった基本的なことから、申立費用の出所、詳細な経歴に続き、家族の状況(配偶者や親族の経済的援助を受けられるか否かまで)や、破産申立に至った事情を事細かに書き込むものだ。

特に借金については、いつ、どこで、どんな事情で誰から、いくら借り入れたか。また、その使い道は何か。毎月いくら返済し、いつどんな事情で支払えなくなったかなど、かなり細かな項目が並ぶ。

だが、債務理由や、

「ギヤンブルをしていたか?」

「高額な飲食店で飲み食いしたか?」

「過去3年の間に10万以上の買物をしたか?」

などという生活状況のチェック項目に、正直に報告する必要はない。ここまでの事務費用は、収入印紙代600円と、郵券代(書類のやり取りに要する郵便切手代をあらかじめ納めるもの。各地裁によって差があり5千円から2万円)だ。

さらに同時廃止(後述)の場合はプラス1-2万ほどかかる。
20-30人グループで裁判官と面談
破産申立を行うと、裁判所は書類を元に本当に支払不能か2カ月の間に本人を呼び出
し裁判官が直接、事実確認を行う。これが審尋だ。
法廷で裁判官と向き合うなど大事に思うかもしれないが、実際はいたって簡単だ。そもそも審尋が開かれる時点で書記官が問題なしと判断した事案だから、負債額が5,600万円までなら(それ以上の場合は個別)裁判官1人が20〜30人をまとめて面談。
「10分ほど自己破産を認定するのは忍びないが一度だけチャンスをあげます」と説教した後、「免責不許可理由がある人」と挙手を求められる。当然、誰も手を挙げないまま審尋は終了だ。ちなみに、実際の審尋より、書記官のチェックの方が細かく、書類の不備はガス代の領収書1枚も見逃してくれない。中でも金の出納が一目でわかる貯金通帳がポイントになるので、記録された金の出し入れを基に弁明のシュミレーションをしておこう。
審尋終了後、間違いなく「支払い不能状態」にあると判断すれば、1~2カ月内に裁判所が破産申告を行い官報に公告する。本人には通達が届くが、自ら口にしない限り勤め先や友人、知人たちに告知されることはない。

ただし、市区町村役場が公布する破産者名簿にも記載されるため、まったく世間に知られずに済むわけでもない。それが証拠に、破産が確定した途端、街金から「ブラックの方も即日こ融資」などと書かれたダイレクトメールが山ほど届く。個人情報は思わぬところから漏れているのだ。

免責不許可事項
★財産を隠したり、財産価値を減少させた場合

★収入に見合わないギャンブル、買い物、レジャーで借金を作ったとき

★換金目的でクレジットカードで買い物し、それを安く売り払った場合

★ある債権者だけに借金を返したり担保を提供したとき

★債務の支払いが不可能なのに相手を編し借金をした場合

★裁判所に虚偽の債権者一覧を提出したり、財産状況について偽りの陳述をした場合

★破産者が過去10年以内に免責を得ている


次に、破産者が受ける社会的制約を紹介しておこう。
①居住、通信の制限財産がある場合で、破産手続きの間、裁判所の許可なしの引っ越しや長期の旅行もできず、郵便物はすべて管財人に転送される。

②公私の資格制限弁護士、公認会計士、税理士、公証人、司法書士等等の公の仕事には就けず、宅地建物取引業者や証券会社の外務員や質屋、生保の募集員、さらに警備員や風俗営業もNG。逆に、古物商、行政書士、医師、教師、特殊な仕事以外の公務員には影響がなく、また、鷺剛と違い選挙権等の公民権も停止されない。

③税法上の資格制限保証人や代理人、遺言執行者等になれず、合名・合資会社社員や株式・有限会社の取締及び監査役に就くことは不可。

④個人信用情報がブラックになる

挙げればデメリットも多いが、一般的には日常生活にほとんど支障のないものばかりだ。
自己破産でいちばんわかりにくい用語が同時廃止だ。前述したとおり、破産は債務者の財産を債権者に分配する作業を言うため、財産がない場合は破産宣告と同時に、破産手続きを終了させる必要がある。

言葉は難しいが手続きは簡単で、破産申告書に同時廃止してほしい旨を記した上申書を付けるだけ。たいていは、破産と同時に同時廃止も決定する。そして最後の難関が免責だ。これまでの手続きが首尾よく進んでも、これを勝ち取らなければ借金はチャラにならないのである。

ちなみに免責とは買うべき責任を問わずに許す
という意味で、これが認められて初めて借金を返済する義務がなくなる。
手続きとしては、同時廃止決定後1ヵ月以内に、
●免責申立書
●住民票
●債権者一覧表
以上を破産宣告を受けた裁判所に提出。1〜2ヵ月後に再度、裁判所で審尋が行われる。1-2カ月後に再度、裁判所で審尋が行われる。
免責決定まで早くて4カ月、長い場合は1年以上に及ぶこともあるという。問題は、この間の過ごし方だ。取り立てが止んだのをいいことに、借金を繰り返せば免責は下りないと思って間違いない。くれぐれもハメを外さぬように。