防犯対策・詐欺の手口

実際にあった詐欺の手口や事件、犯罪者の告白です。防犯対策・防衛のための知識としてお読みいただければと思います。

白タクで泥酔のお客さんからドロボーを重ねていた運転手

11月窃盗の疑いで逮捕された無職のA(48才)は、白タクでドロボーを重ねていたから笑えない。この男、父親(76才)の個人タクシーを勝手に持ち出して酔った客を乗せ、眠り込んだスキに財布からクレジットカードを盗む手口で100件以上の犯行を繰り返し、総額2千万円も引っ張った。

〈さーて、今宵も出掛けるとしますか〉

午前ー時すぎ。個人タクシー運転手の父親が仕事を終えて江東区の自宅に帰った後、2キ口ほど離れた駐車場に急いで駆け付け、合い力ギを使って父親のタクシーを発進させる。目指すは六大木や新横銀座など、へ口へ口になった酔客であふれ返る繁華街だ。「ようよう運ちゃん、〇〇まで頼むよ」

「お客さん大丈夫ですか、ずいぶん飲んでるようだけど。アレレ、寝ちゃったなあ。お客さーん」

とりあえず送り先の近くまでタクシーを走らせ人気のない路肩に停車。介抱するふりをして相手が眠っているのを確認するや、スーツのポケットをまさぐり財布に入ったカートを抜き取る。発覚を遅らせるため、以前にゲットした別のカードを入れておくことも忘れなかった。

朝方、営業を終えると、その日のうちにカードで新幹線のチケツトや高級ブランド品などを購入して換金し、別居中の妻の実家かあるフィリピンへ飛んだり、競艇などのギャンブルで放蕩三昧の生活を送っていた。

こうして週に2、3回の出撃を繰り返していたAだが、免許を取り消されるまではレッキとしたタクシー運転手だった。その後、定職に就かずにフラブラしながら今回の犯罪を思い立つ。

経験上、酔客が無防備なことを熟知していたのだ。が、意外なアクシデントによってお縄になる。実は他人名義のカードが25枚も入った財布を新橋で紛失。警察に遺失物として届けられたため犯打がバレたのだ。直接の容疑は、6月2日に客となった会社員から2枚のカートを盗んだことだった。

「天は見てるんだよ。Aの父親は知ってたのかって?まあ、タクシーを持ち出していたのは何となく気ついてたみたいだけど、泥棒まではどうかなあ。オレの息子、仕事もないのにどうやって食ってんだとは思ってたんだろうけどね」一捜査関係者)
自家用車の白タクで月10万のアルバイト
前述した例は、実際の観光バスやタクシーを利用しての犯行だが、最も横行しているのは自家用車を使った白タク行為である。主役は、収入が減ったリストラサラリーマンたちだ。11月池袋署にパクられた白タク会社員は

「生活費を補うためー年前から週ー回の割合でやっていた」と供述。同じく26日に中野駅前で捕まった59才のオヤジは、「不況で仕事かないので苦肉の策だった」などと話しているという。彼らは白タク警備を行っていた刑事を客として乗せたところで現行犯逮捕されたが、11月に成城署がパクった無職の男(57才)の場合はなんともマヌケだった。国産高級車のランプの色が規定外だったため、改造車と疑ったパトロール中の警官に職質されバレたのだ。いずれにしろ、白バス白タクは全国各地でコンスタントに摘発されているものの、表面に出るのは氷山の一角。マイ力ーに客を乗せ、月に10万円ほど稼いでいるという20代のあるフリーター男性は言う。

「やってるヤツは結構多いよ。オレはちゃんとしたタクシーとトラブるのが嫌だから、乗り場からちょっと離れた所で客を見つけるようにしてる。コツはいろいろあるけど教えられないなあ。そうそう、仕事帰りのおミズのネエちゃん乗せて、そのままヤっちゃったこともあったな。そん時は料金チャラにしたけどね(笑)。ともかく道を知らなきゃ話になんないけど、オイシイ商売なことは確かだよ。客だって本チャンよりも安い料金で乗れるんだから言うことないでしょ。サツもこんなこと取り締まるぐらいなら他にやることあるし」