防犯対策・詐欺の手口

実際にあった詐欺の手口や事件、犯罪者の告白です。防犯対策・防衛のための知識としてお読みいただければと思います。

工事現場にクレームをつけ損害賠償で生活する男

賠償金は払いますからしばらくの間ご協力願います
九州に1人の男がいる。定職を持たない彼の生活を支えるのは、各地の道路工事業者だ。

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そう、彼は地元の道路という道路を走り回っては工事現場にイチャモンをつけ、謝罪と共に受け取った金を日々の糧としているのであるクレームで食う

はたしてそのようなことが現実にありえるのか男の声を聞くべく、編集部は西へ飛んだ
舗装工事はコケた理由づけをしやすい
こういうことを考えたのは、クリーニング屋とのちょっとしたイザコザで、賠償金をもらったのがきっかけですね。そのときに思ったんですよ。クレームのパターンを確立して、同じ方法を繰り返せば定期収入になるじゃないかと。

ただそのためには相手がいつも同じ業種であることと、さらに先方に落ち度がなくてもこちらからイチャモンをつけやすいことが条件になってきます。不手際に遭遇するのを待っててもしょうがないですから。

いつでもどこでも出会えて、しかも金を取りやすい相手は誰か。そう考えると答は1つ、道路工事です。道路をほじくってるところなんて日本中どこにでもあるじゃないですか。しかも公共工事だから突くところを突けば金が出てきやすいんですよ。僕がやってるのは、現場に出向いてわざとコケるってやつです。
工事のせいでコケたじゃないか、どうしてくれるんだってことですね。すごい単純なんですけど、これまで九州の数十カ所でやって一度も失敗したことがない。全部、金取ってます。ただ、コケるといっても相手のせいにするにはそれなりの場所を選ばないといけない。狙いは舗装工事ですね。

路面を削ってから、新しくアスファルトを流してきれいにする工事です。表面を削られた道路ってザラザラしててハンドルを取られやすいんですよ。そこでコケると、こっちの不注意じゃなくて相手に非があると認めさせることができる。

さらに、削ってからアスファルトを流主則、アスファルト乳剤(コールタール)を撤いた直後がいちばんいいですね。服が汚れるから、服代を弁償しろというクレームをつけやすいわけです。
ガードマンだけに見られるように
では手を紹介しましょう。
まず、現場を見つけたらバイクでちょろちょろ近づいて、大げさにコテーンとひっくり返るんです。あまり派手にやると現場監督なんかが飛んで来て後々不利になるので、ほんの少し転ぶだけ。ガードマンだけが気づく程度にするのがベストです。

で、「大丈夫や」という素振りでその場はすぐに離れそして次の日に役所に行ってこう尋ねるんです。

「昨日、どこそこの現場でコケたんですけど、こちらに連絡入ってますか?」

本来なら公共工事の現場での事故は役所に報告する義務があるんですけど、バイクが軽くコケたくらいでガードマンは現場監督に言いませんし、当然役所にも連絡は回りません。まず「聞いてないですねえ」となります。そこで次はこう。

「現場で事故があっても、報告がないような業者を使っているんですかっ」

これだけで役所はあせって業者に電話しますし、すぐに現場監督が飛んで来ますよ、平身低頭で。こうやって最初に業者の落ち度を突くことで、優位な位置に立っておくわけですね。

先ほど、ガードマンだけに見られるぐらいがベストと言ったのはこのためです。監督とかに気づかれると、役所にもちゃんと報告が入ってしまうからイーブンな関係になってしまう。で、ここからの話し合いは業者と僕の間で行われて、基本的に役所はノータッチです。

けれど役人が目の前に、いることで相手にプレッシャーがかかるんですね。下手な対応はできない。昨日は何ともないと思ったけど、よく見たらハントルが曲かってて、服も汚れてたんで
理屈は正しいですよね。バイクでコケたんだから、それぐらいの被害はあっても不思議じゃない。自然、弁償してくれないかという流れになります。すると、向こうは工事保険に入ってますから、それを使ってなんとかしようとします。

でもこっちとしては、保険会社が入ってくると時間がかかるし、たいしたお金にもならない。事故証明だって必要になってきますし。ここでの突っ張り方はこんな感じです。「コケたときに警察呼んでくれたならまだしも、その場ではうやむやにしておきながら金を払う段になってそんなこと言われても協力する気にならん」

向こうもシュンとしますよ。やっぱり役所への報告義務を怠ったってのが負い目になってるから、強く出られないんです。ここでは具体的に金額を出した方がいいです。恐喝になるとかいいますけど、それは「100万出せー、」なんてことを言った場合の話で、理に叶った額なら訴えられる心配はありません。

僕はいつも、服の弁償代として3万、バイクは弁償じゃなくて、これから山道を走る予定だからもし何かあったときのレッカー代やタクシー代を預からせてくれ、という形で10万程度要求してます。服なんて最初から安物しか着てないし、バイクも傷んでないからレッカーもクソもないんですけど、この理屈でみんな金出してきますよ。

「じゃあ服の値段調べるから」とか「壊れたバイク見せろ」なんてことは言ってきません。もちろん10万の方は「預かり」という形になってますから、レッカーやタクシーに使わなければ返済する義務があるんですけど、確認してくるような業者は1件もありませんね。電話だってかかってこないし。10万でカタついたならよしって考えなんでしょう。