防犯対策・詐欺の手口

実際にあった詐欺の手口や事件、犯罪者の告白です。防犯対策・防衛のための知識としてお読みいただければと思います。

普通の主婦が母子家庭手当など公的扶助の不正受給の手口

私はごく普通の主婦だ。2才年上の夫と、小学生の子供2人の4人家族で築20年を越える市営アパートに住んでいる。主人の職業は大工だ。といってもどこかの工務店に勤めてるわけではなく、人手が必要なときに店かり声をかけられ仕事に出る、いわばフリーの職人である。

給料は完全歩合給で、仕事があればまとまった額がドンと入り、雨が続いたり景気の悪いときには一銭も入ってこない。それでも平均月収は月30万。一家4人が地方で暮らすには十分な額だ。そんな何不自由のない主婦が、なぜ公的扶助の不正受給などといった犯罪に手を染めたのか。夫のいる身でなぜ「母子家庭手当」をパクれるのか。詳しく聞いていこう。
きっかけは下の子が小学校に入り、昼間手が空いたことだ。ヒマ潰しに入ったパチンコ屋で大フィーバー。私はすっかりハマってしまった。最初こそ千円、2千円で打っていたのが、すぐに万2万と注ぎ込むようになり、あっという間にヘソクリが底をつく。それで辞めればよかったのに、街金のチラシを見て、10万単位のお金を借りてはパチンコ屋へ。

しかし、確変で大フィーバーなんてラッキーは滅多に来ない。当然のごとく負けが込みドツボにハマる。気がつけば街金の返済は月4万にも膨らんでいた。利息だけで4万。元金を減らすにはそれ以上の金を捻出しなければならない。

パートに出ようとあちこちを当たってみたが、面接にさえこぎつけない。すっかり途万に暮れた私ができるのは、当の街金に泣きを入れることぐらいのことしかなかった。「すみません。あのー、お宅は主婦の客も多いって言ってましたけと、他の方はどうやってお金を作ってるんでしょうね」

アタマを下げる私に、業者のオジサンが言った。

「あんたんとこ子供何人いるの。2人か、旦那は大工さんだったな。それだったら母子家庭手当をもらったらどうだ」

母子家庭手当というのは、離婚や父親の死亡による拘束、または婚姻外子などのケースで女性が子供を養育していく際に、国や自治体が公的な扶助を行う制度だ。

代表的なのが国による児童扶養手当で、毎月4万2370円ほどが給付される(2人目以降はプラス5千円ずつ)。その他各地方自治体でも様々な援助制度を設けており、例えば東京都では子供ー人について毎月ー万3500円を給付している他、「ひとり親家庭等医療費助成」や「都営水道・下水道料金の免除、バス・都営地下鉄・都電無料乗車券」など。街金は、偽装離婚してこの制度を利用しろと言っているのである。

配偶者控除も初めからないだろ。旦那にワケを話してハンコ押してもらって離婚なんてとんでもないと思ったが、聞けば今までどおりに生活しててもいいらしい。他に選択肢のない私は従うよりなかった。
恐いのは近所からのチクリ「まったくお前は」
主人は呆れていたが、事情を聞くと素直に離婚届にハンコを押してくれた。後は近くに住んでいる実家の父母の協カが必要だ。

「私が悪いのは重々反省してます。子供たちのためにもここは言うとおりにしてください」孫のためと言われれば、両親も折れるしかない。

街金によると、中にはわざわざ安いアパートを借りてそこに住民票を移してる人もいるらしいが、実家の離れを私と子供たちの仮の住まいとして提供してくれることで話がまとまっなさっそく市役所へ行って離婚届を出し住民票を異動。次に福祉課で児童扶養手当の申請を行う。必要な書類は、戸籍謄本と住民票と印鑑と銀行口座だ。

扶養手当給付の必要条件は、単身で子供を養育していて、なおかつ内縁関係でも肉親でも生活費を援助しでくれる人がいないこと(離婚した相手からの養育費は含まれない。ちなみに、私の場合はバートにも出ておらず関係なかったが、収入がある人ば所得証明も年間90万以上の収入があると給付対象にならない)。
ただ、申請さえすればノーチェックでお金がもらえるわけではなく、市役所の福祉課が間違いがないか調べにくる。そこで私はその間だけ子供を連れて実家に移り、夫には長期の仕事を取って出稼ぎに出てもらった。予想どおり福祉課のケースワーカーは、うちに直接訪ねて来ずに、近所に聞き込みを行った。

もちろん、私に抜かりはない。事前に菓子折を持って挨拶に回ったので、みんな出戻りで仕事を探してると言ってくれた。こうして私は2カ月の認定期間を経て無事に児童扶養手当と、市が独自にやってる育成手当をダブルで受けることに成功した。

児童扶養手当が2人分で4万7370円十育成手当が2万7千円計7万4370円が何もしなくても懐に入ってくる。その後はアバートに戻り、夫と4人の生活を送っているが、今も給付は続いてる。役所へは年にー度、所得報告のために出向くだけ。公的扶助の不正がバレるのは周囲の人間からのチクリがほとんどというので、近所へみつぎ物だけは欠かさないようにしている。

※この記事はフィクションです。防犯、防衛のための知識として読み物としてお読みください。実行されると罰せられるものもあります。