防犯対策・詐欺の手口

実際にあった詐欺の手口や事件、犯罪者の告白です。防犯対策・防衛のための知識としてお読みいただければと思います。

秘書が役員にレイプされた「男を社会的に抹殺してやりたいんです」

ガラの悪い親戚に扮し慰謝料をもぎ取る
単にトラブルを解決するだけではなく、ベストの条件を引き出してほしいという依頼も多い。例えば、離婚父渉だ。その依頼人は28才の奥さんで、7つ年上の夫が会社の部下と出張中に不倫。それが元で離婚することになった
が、弁護士に相談したところ子供もいないので慰謝料は2、3百万かせいぜいと言われた。しかし彼女は、そんな額じゃ納得できないという。

「家を建てるためにやりくりして貯めた財形貯蓄が1千万はあるから、その分はもらわないと。離婚するのはいいが、結婚と同時に仕事を辞めて専業主婦になったのは夫の希望に従ったため。この不況下で勤め口を探すのは容易じゃないから、しばらくの間、暮らしていけるだけの生活補償がほしい」といのである。

相場2、3百万のものを3倍4倍につり上けるためには、相手の弱みを突くしかない。さっそく私は夫の素行調査を行い、切れたと主張していた部下といまだ続いていることをつきとめた。そして現場を押さえた私は、ガラの悪い親戚の叔父さんに扮し依頼人と一緒に交渉に臨む。男はきっと仕事のできるサラリーマンなのだろう、代理人を依頼したのでこのような交渉は今後、弁護士を通してほしいと事務的に言うだけで取り付くシマもない。が、場数を踏んでる分、私にはそれか虚勢だとわかる。

「あのさ、おたくさんか出張先で部下と不倫して離婚争議に発展してるってのに、まだ関係か続いてるっていうんだからたまげたよ。なのに尽くしてくれた嫁には弁護士だかを通して微々たる慰謝料しか払えないってんだからな。まったく、これか会社の上の人たちにバレたら出世に響くだろうぜ」

男と部下がホテルに出入りする証拠写真を見せ、ニタニタ笑いながら穏やかに迫る。
「ナニ、別にこいつと寄りを戻せなんて無理を言ってるわけじゃない。ただ、オレの可愛い姪っこがこれからー人で暮らすのにできるだけのことをしてくれっていってるんだ。それか人の道だろ」そう言いながらテーブルをバンと叩き脱みを効かすと、男は貯金全額、財形貯蓄と定期預金の合計1700万を払うことに同意したのである。
ときには法では裁けないトラブルを解決してほしいという依頼もくる。いま手がけているのは、自分が秘書を務めている会社の役員にレイプされたという事件だ。もちろん裁判所に告訴して公に犯人を罰することもできる。が、強姦に関する裁判の現状を見た限りでは、被害者の性生活やプライバシーまで証言を求められ、まともな神経では耐えられないケースかほとんど。
依頼人も、襲ってきた役員が好意を持ってくれているのはわかっていながら、誘いを断れば仕事がやりにミなると何度か2人っきりで食事にでかけたことがある。また、別の社員との不倫経験もあり、状況だけ問題にされた合意の性交渉ととられかねない。

「いくらお金がかかってもいいから、あの男を社会的に抹殺してやりたいんです」

彼女が私に望んだのは金ではなかった。役員という立場をいいことに、狙った女子社員を秘書として側に置いて自分のものにする、そんな男を放っては置けないというのである。

私は聞き込みを行い、被害を受けた女性を彼女の他、複数特定して事情を聞いた。その上で、男が別の愛人を伴って出張に行く現場を押さえることに成功。いまちょうど、その写真を盛り込んだ怪文書が完成したところだ。これを会社の取引先の役員たちにバラ撒くといっ段取りである。立場のある人間は社内の情報を握り潰すこともできるが、社外から広まったウワサは簡単には消せない。これで男の社会的生命は風前の灯火だ。