防犯対策・詐欺の手口

実際にあった詐欺の手口や事件、犯罪者の告白です。防犯対策・防衛のための知識としてお読みいただければと思います。

恋愛関係のエッチとデリヘル本番デートクラブとの微妙な境界

デリバリーヘルスなる風俗をご存じだろうか。自宅やホテルでサービスが受けられる出張型ファッション・ヘルスのことで、けばけばしいネオンの店に入りづらいという、ちょっと気弱なすけべ親父に大人気なのだという。本番なしの固定店と違って、本番OKというところが多いのも人気の秘密だ。だが、出る杭は打たれるの例えどおり、改正風営法に基づく「無店舗型営業」の摘発第一号で神奈川県内の業者が逮捕された。

伊勢原座間市の繁華街&住宅地の路上一帯に人気のデリバリーヘルス・オープン

人妻、OL、タレントなど多数と銘打った捨て看板がずらりと並んだ。電柱にはビラが貼られ、マンションなどの集合住宅には別にチラシが投げ込まれた。この看板を出したのは26才の男。それまで関西で物干しざおの行商をしていたが、たまたま知り合ったホテトルの経営者に「元手はいらんし儲けはでかい。ぼろい商売やで」と吹き込まれ、思い切って転職したのだという。ノウハウもその経営者に教わった。援助交際が盛んに言われているこのこ時世ゆえ、律義に本番なしを守っていたのでは儲けは少ない。ヘルスとは名ばかり、実態は限りなくホテトルに近い売春業だ。
男は厚木市内のマンションの一室を事務所とし、電話の受付係、ビラ貼り係、ヘルス嬢の配達係など4人を日給ー万円で雇い入れた。女のコは求人誌などで集め、男は面接で「本番OK」と答えた22才から40才までの約30人と契約を結んだ。中には何人かのOLもいたが、ほとんどは主婦摘発後の事情聴取で彼女らは

「離婚で母子家庭になって生活費が足りなくなった」「自分の小遺いがなかったから」
などと供述したといつかりそれなりに切実な事情があったようだ。女性が確保できた男は、一挙に4店をオープンさせる。もちろんこの手の業界の常として、事務所は1つで、電話を使い分けただけのこと。営業システムは簡単だ。客は捨て看板やチラシに書いてある番号に電話をして好みのタイプを告げればそれでOK。事務所には常に数人のヘルス嬢が待機しており、リク工ストに近いコを見つくろって、自宅なりホテルなり、客の指定先に女性を配達する。手、口、太股などでイかせる本番なしのファッション・ヘルスコースが60分ー万2千円と90分ー万8千円の2コース。そして他に2万5千円と3万7千円のコースが設けられ、こちらは本番ありだ。が、実際のとこ、本番なしのコースを選んだ客は皆無だったらしい。

県の公安委員会には改正された風営法に基づき届け出てはいたが、それはあくまで本番なしのファッションヘルスとして。そのため本番してることかバレないよう男はそれなりの工作をした。まず、届け出た住所からすぐに引っ越し、その後も事務所を転々と移動させた上、客との連絡には転送電話を使用。さらに、女のコを送迎する従業員には「尾行されてないか気をつけろ」と口を酸っぱくして注意していたというコそれで月600万を売り上げ、取り分は女のコと半々。なるほどボロイ商売だか、オープンかり8カ月後の6月初め、約4800万を稼いだところで摘発。事務所にいた5人が、神奈川県生活安全特捜隊と伊勢原署に売春防止法違反容疑で逮捕された。県警は、男がオープンした当初に派手な宣伝を始めた時から目をつけていたのだという。何度も尾行していたそうだから、送迎係の注意カは十分ではなかったようだ。
本番をしなくても無届け営業で摘発OK
こうした出張型風俗の古株は、ホテトルである。女性をラブホテルに呼ぶのが一般的だが、リクエストすれば自宅にも呼べる。87年の新聞にすでに「女性を宅配秘密売春クラブを警視庁が摘発」という見出しが躍っている。実はこのホテトルか当局にとっては長年の悩みのタネなのだ。システムはれっきとした売春防止法違反なのだが、その裏付けを取るのが難しい。というのも、前述したように業者は転々と事務所を移転し所在そ
のものがつかみにくい上、ホテトル嬢と店側の関係もあいまいだ。売春を行うと明記した契約書でも取り交わしていれば話は別だが、そんな証拠など残すわけがない。

それでも事務所にホテトル嬢が待機していれば摘発のしようもあるが、現在は客からの注文が入りしだい携帯電話に連絡、ホテルなどにというパターンか主流で、ホテトル嬢と店との雇用関係を立証するのも簡単ではない。さらに、いざ摘発しても、ホテトル嬢も客も、決まって恋愛関係にあるだのデート中に意気投合しただのと弁明。行為が行われる場所がホテルや自宅といった恋人同士が通常セックスする所だけに、売春かどうかの見極めは難しい。そこで当局が考えたのが、改正された「風俗営業適正化法」、いわゆる新風営法なのである。旧風営法時代から、風俗営業を行うには都道府県公安委員会の許可を受けなければならないと定めてある。営業種目は、キャバレーやバー、スナック、クラブなどの飲食店関係と、パチンコ店やマージャン店、ゲームセンターなど遊戯店関係の大きく分かれる。が、お気つきのとおりソープランドやファッション・ヘルスは風俗営業には含まれていない。こうした下半身関係の店は「性風俗特殊営茎といって、届け出制になっているのだ。先の風俗営業店より、さらに厳しく制限されるもの」と定められ、営業地域や営業時間が厳重に規制されている。ところが問題なのは、この規制はいずれも店舗を構えた営業を前提としていることだった。営業場所がホテルや客の自宅だったりする、デリバリーヘルスやホテトルは規制の網から逃れていたわけだ。そこで新風営法では、こうした「無店舗型営業」についても、届け出を義務付けた。届け出を義務化するくらいで効果があるのか、という疑間も出てきそうだが、それが大変な違いがあるのだという。

まず、どこのだれが、どこで商売を始めたかがわかる。以前はマンションの一室で看板も掲げずに営業できたのだから、これだけでもだいぶん違う。しかし最大の効果は、「無届け営業」としてモグリの業者を摘発できることになった点にある。それまでは摘発するために、長期間の内偵を行った裏付けが不可欠だったが、必ずしも必要としなくなったのだ。大きな武器を手にした当局は、矢継ぎ早にこうした無店舗型営業に捜査のメスを入れている。

デリバリーヘルスやホテトルの他に、出張型風俗と言えばデートクラブがある。本番という客の目的は同じだから、ホテトルとの境界は実際には限りなく低い。しかしデートクラブの建前はあくまで出会いを紹介するだけなので、テレクラと同じ扱い。つまり風営法ではなく、条例で都道府県への届け出が義務付けられているだけなのだ。スポーツ新聞やタ刊紙、雑誌などには今もデートクラブの広告が満載されている。試しにインターネットをのぞいてみると、ここにもあった。

「会員制高級デートクラブ。現在90名の女性がお相手を募集中です」の次に、

「関係各庁に営業届けを提出し認可されております。ご安心下さい」と続いている。

どうやら条例に基づく営業届は出しているようだが、お上が売春を認可したわけではないから安心はできない。システムは2年間有効の入会金か5万円、デート嬢とのセッティング料が1万5千円、交通費か一律5千円となっている。

サンプルページを開けてみると、20代後半と見える口ンクヘアの美女がほほ笑んでいた。この人とならもちろんOKだか、都合がつかないといって似ても似つかぬ人物が現れるかも知れない。