防犯対策・詐欺の手口

実際にあった詐欺の手口や事件、犯罪者の告白です。防犯対策・防衛のための知識としてお読みいただければと思います。

悪質な白アリ駆除会社の実態

白アリ駆除の仕事に就いていたことがある。月給50万円以上という破格のサラリーにひかれてーもニもなく飛ひついたのだが、それは、ほとんどサギまがいと言っていい内容だった。ただ、僕は施工をしていたわけではなく、もっばら営業。都内近郊の戸建て住宅を足で回って片っ端かり呼び鈴を鳴らし、主婦が出てきたところを「白アリ駆除です」と自己紹介する、完全な飛び込み営業だ。もちろん、そこで「はい、お願いします」なんてことにはならない。白アリの被害というのは目に見えないところで進行しているものだから、奥さんにも切迫感がないし、なによりホントに白アリの被害にあっている家なんて、そうないのだ。
そこで、僕たちはありもしない被害をでっちあげるのである。

「うちは、大丈夫ですよ」と、いぶかしそうな主婦に

「万が一ということがありますから。とりあえず、床下に潜らせてください」と交渉。OKが出ればもうこっちのものだ。力メラを持っておずおずと床下に入り込んだ後、張り巡らされた蜘蝶の巣などを眺めながら煙草を2、3本くゆらす。こうしてゆっくり腹想の時間を過」した後、こりゃ大変だぞといった顔付きで外に這い出て、こう切り出すのだ。「いやあ、結構いますねえ。築何年ですか?」もちろん、こちらは床下に潜っただけで何も調べちゃいない。でも奥さんは自分で汚い床下を調べようとは思わないので、嘘だとはバレっこないのだ。

もちろん中には疑い深い人もいて、証拠を見せろなどと言ってくることがある。そんな場合はあらかじめ撮っておいた、太当に白アリでボロボ口になった床下写真を後日持参するだけのこと。口ーンで買ったマイホームが足元かり崩れかけていると知れば、なんとかしようと思ってしまうのが人情。こうして200万円ほどもする駆除サービスは、まったく被害を受けていない住宅で施されることになるのだ。こんな調子で月に5本も契約を取れば、月収はラクラク50万円。あまりに簡単にアブク銭が入ってくるので、周りには、賭け事に走る者が多かった。余談ではあるが、床下にもぐると、白アリの被害よりも施工業者の手抜き工事み見つけることの方が多く、コンクリートの基礎の上から数センチも浮いた柱なんかを見つけるたびに、まだ自分たちのやっていることはカワイイもんだなあ、などと独り言い訳したものだ。